わにぐちクリップモーター
電気と磁界の単元で登場する「クリップモーター」
モーターの原理を理解するにはもってこいの教材です。
いろいろなタイプがあるようですが、教科書に載っていたのはこれ↓
とってもコンパクトなクリップモーターです^^
これなら生徒実験にぴったりだと思い、試しに一台作ってみました。
でも・・・
あれ?回らない?^^;
クリップをセロハンテープで固定するので、造りが不安定だったり、接触が悪かったり・・・
何度か微調整をくり返して、やっと回るようになりました。
・・・簡単そうで意外と難しい^^;
50分間の授業のなかで、何とか生徒全員に「回った!」と言わせたい。
もっと簡単に、確実に回るクリップモーターを作れないだろうか?
そんなわけで今回考案したのが、
わにぐちクリップモーターです。
見た目はごついけど、安定性は抜群^^
さっそく作り方を紹介します。
まずは、モーターの心臓部であるコイルの作り方から。
適当な太さの筒に、エナメル線を10回程度巻きつけます。
今回は試験管を使いましたが、割れる危険があるので生徒実験では避けた方がよいかもしれません。
なおエナメル線は、一般的な0.5ミリメートルよりもすこし太い0.7ミリメートルを使用しました。
コイルが重たくなるので良いかどうかはわかりませんが、ふにゃふにゃしていないぶん扱いやすいです。
エナメル線を筒から抜き取ったら・・・
束ねて、端っこを2、3回くるっと通します。
反対側もくるっと通して・・・
こんな感じになります。
両端のエナメル線は5センチメートルほど残してカット。
次に、エナメル線の両端に紙やすりをかけます。
ここでポイントがひとつ!
片側は絶縁皮膜を半分残しておきます。
この部分が「整流子」の役割をはたします。
絶縁皮膜を半分だけはがすには・・・
コイルを平らなところにおいて、上から紙やすりをかければOK。
最後にコイルのバランスを調整します(これが一番重要!)
左右のエナメル線を一直線に、コイルの中心を通るように調整します。
これでコイルは完成!
土台となる部分には、手のひらサイズの板を使用します。
画びょうをしっかりと固定できるよう堅い材質のものを選択。
画びょうを2つ、適当な間隔をあけてしっかりと打ち込み・・・
そこにわにぐちクリップを噛ませて固定します。
電池をセット。
わにぐちクリップの上に、コイルを軸がずれないようにそっとのせます。
最後に、コイルを挟み込むようにU型磁石をセットして準備完了。
あとは指で軸を軽く回して、回転のきっかけを与えれば・・・
モーターが勢いよく回転します^^
<うまく回転しないときは・・・>
コイルのバランスを調整しなおす。
エナメル線の絶縁皮膜を念入りにはがす。
回路に電流が流れているか確認する。
磁石の上下(N極とS極)を入れ替えてみる。
などを試してみると良いと思います。
今回の教材は、わにぐちクリップの↓この形状を見てひらめきました。
(この凹みにコイルをのせれば、わざわざクリップを立てる必要がなくなるのでは?)
ということで、さっそく試してみたところ大成功^^
土台に画びょうを打ち込んでわにぐちクリップを噛ませるだけなので、
従来のクリップモーターと比較して、
組み立てが簡単になり、安定性が向上しました。
また、U型磁石の使用によって磁力が増し、回転力も向上しました。
さっそく授業で試したところ、
実験開始から15分ほどで、あちこちから「回った!」という歓声が聞こえてきました。
なかには、三角形やハート型のコイルを回した生徒も・・・^^
みなそれぞれに工夫して満足感を得ていたようです。
単純なモーター作りでしたが、生徒には予想以上にウケました。
「一人一台つくる」というのが良かったのかもしれません。
普段落ち着かない生徒も、実験中は真剣そのもの。
手を動かして作業することの大切さ。
改めて感じた一時間でした^^
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