直列・並列回路の水流モデル
突然ですが問題です^^
乾電池を使って2つの豆電球をつけるとき、
一本道の「直列回路」と枝分かれした「並列回路」では、
どちらが明るく点灯するでしょうか?
1 直列回路のほうが明るい
2 並列回路のほうが明るい
3 明るさは変わらない
私は理科の授業で電気の分野に入ると、
いつもこの3択クイズを生徒に出します。
今年は7〜8割の生徒が「直列回路のほうが明るい」と答えました^^
さっそく実験してみましょう。
左が直列回路、右が並列回路です。
では電気を流します。
せーの
どん!
結果はこの通り。
「並列回路のほうが明るい」が正解でした。
(もちろん同じ電池と豆電球を使って実験しています)
教室のあちこちから「えーなんでー!?」という声があがります。
この疑問が大切なんですよね!^^
なぜ直列回路よりも並列回路のほうが豆電球が明るく点灯するのか?
この謎を解くヒントとして、教科書には
「電気の流れを水の流れにたとえて理解する方法」が示されています。
そこで登場するのが今回の教材!
じゃん!
電気の流れを水の流れにたとえて、立体的に考えるための教材を作ってみました。
わかりやすく絵を貼り付けてみました。
左が直列回路、右が並列回路。
横から立体的に見てみましょう。
電池は水をくみ上げるためのポンプ
豆電球は水の流れによって回る水車と考えます。
くみ上げられた水(電気)は滝となって落下し、水車(豆電球)を回します。
(理科とはあまり関係ないですが、エッシャーという画家の「滝」という作品を見ると、
すごくイメージがわくと思います。授業でも生徒に見せることがあります^^)
ここで重要なポイントは、
滝の落差が大きいほど水車は速く回る(豆電球は明るく点灯する)
ということです。
もう一度見てみましょう。
左が直列回路、右が並列回路。
赤い部分が滝です。
一段分の滝の落差をくらべると、直列回路よりも並列回路のほうが
落差が大きくなることがわかります。
その分、落下する水(電気)の勢いも増し、水車が速く回る(豆電球が明るく点灯する)のですね。
まとめ・・・
並列回路は直列回路よりも滝の落差が大きい
↓
滝の落差が大きいほど水車は速く回る
↓
豆電球が明るく点灯する
立体的なイメージを、図だけで理解するというのはなかなか難しいことです。
そこで実際に塩ビパイプを用いて、立体模型を製作してみました。
滝の落差=電圧という考え方を理解させるには、なかなか効果的だったように思います。
しかしながら、今回の説明はあくまで「たとえ」にすぎません。
水の流れで納得できたからといって、電気の本質がわかったとは言えないでしょう。
ただ、目に見えない電気の不思議な性質を考えるヒントとして水流モデルがあって、
そこから電気に興味をもつ生徒が出てくれば良いのかなと感じています^^
そういうわたし自身、実はあまり電気が得意ではなかったりして・・・(苦笑)がんばって勉強します
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